評価に関する取組を2つ、やってみました。
①「生徒の評価スケール」をふり返りシートに用いる。
②テストの点数をつけず、コメントを添えて返す。
やってみて、子どもたちはどう感じたのか、フィードバックをもらったので、それぞれまとめていきます。
①「生徒の評価スケール」をふり返りシートに用いる。
やったことについて、まずはこちらを。評価スケール① - マツケンの記録場
算数の単元全体のふり返りの際に、自己評価としてA.B.Cのいずれかをつけ、その理由を書いてもらっていましたが、自己評価として「できるようになりつつある」「満たしている」「継続して成長している」のいずれかをつけ、その理由を書いてもらうようにしました。
子どもたちからフィードバックをもらう前に、既にやってみての手応えが!それは、「できるようになりつつある」という評価をつけた人とやり取りしたときのこと。
評価・・・できるようになりつつある
理由・・・分からないところがあったときに、最初は自分で考えて、どうしても分からなかったら友だちに聞くこと。
「詳しく教えてくれる?」
「前、分からない問題があったとき、分からないのに何もしてなくて時間だけが過ぎていってたけど、前回友だちに聞くようになって分かるようにもなったし時間もあんまりかからなくて、でも今回は最初は自分で考えてから、どうしても分からないところを聞くようになったところが、できるようになっている途中のところです。」
「なるほど!今回からやり始めるようになったことって、できていないってことではないもんね!」
「なんか、Cだとできていないみたいになるけど、これだと次、満たしている、その次継続して成長しているになるように、どんどん成長していこうってなります。」
「じゃあ確認、次の単元の課題は?」
「自分でまずは考える。そしてどうしても分からなかったら友だちに聞く。これをしっかりできるようにします!」
現時点で「できていない」と捉えてしまう(Cという)評価。現時点は「できつつある」ところでこれからもっと成長できると思える評価。ここには大きな差があるなぁと感じました。
子どもたちからのフィードバック
- いいと思います。理由は、通知表とか見ると、自分は頑張ったのに「C」だったのかぁ〜と思ったりして落ち込むことがあるからです。
- これもいいと思います!具体的に考えるから今の自分の現状が分かるし、これからどうするかについて生かせられるのでいいと思います。
- A.B.Cだと書くのは速いけど、具体的にどこがいい感じなのかなど分からないし、なんかランクづけのような気がするから、言葉で表す方がいいかなと思います。
- ぼく的にめっちゃいいと思う。安心もするし、これからも頑張ろうと自分を勇気づけることもできるから、これはとてもいいと思いました。あと、これを見たとき一瞬、「KUMON【公文式)に似ているな〜」と思いました。
- 自分的にはA.B.Cでも似たような感じで捉えていたからどっちでもいいと思いました。
- A.B.Cだとよかったと思うところもあるけどわるいところもあるときに、A.B.Cでつけると難しかったりするからです。A.B.CだとCがわるいイメージがあるけど、「できるようになりつつある」「満たしている」「継続して成長している」だとどれもいいイメージがあるから。
- 評価もテストと同じで、もしCだったら落ち込むけど、今回のだと得意になっていくかなと思いました。成長していこうと思えます。
6年生全員、肯定的に捉えていました。
②テストの点数をつけず、コメントを添えて返す。
何をやったかというと…
こちらの本を参考に、テストの返却の仕方を変えてみました。
テストの返却の仕方として、1.点数をつけずにコメントだけを書いて返す、2.コメントがなくて、点数だけを書いて返す、3.コメントと点数の両方をつけて返す
という3つのパターンを11〜12歳の子どもたちを対象に試したところ、1は、2・3と比べて30%も伸びたそうです!
これをもとに、今学期からテストに点数をつけず、テストを返却する際にコメントを口頭で伝えるようにしました。(今のところ、算数と社会で実施。)
伝える内容として意識したことは、間違った問題に着目し、理解できているよ(理解できるようになるよ)ということと、これまで(これから)の学びにはきちんと価値があるよということ。(これでよかったのか…。何をどう伝えるとよいのか悩むところ…。)
子どもたちからのフィードバック
- いいと思います。前にテストでわるい点数をとったときに落ち込んだからです。コメントがあると次頑張ろうと思えるからです。
- 点数をつけずにコメントがあると、私もみんなも落ち込まないし、また頑張ろうという気持ちになると思いました。
- 今まで点数をつけてあったけど、今はコメントやアドバイスがあって助かっています。いい点数でも悪い点数でもつけられたら、そこで満足したりそこであきらめかけたりして、やる気が下がると思いました。
- 点数がもし、10点だったときに、親に怒られて落ち込むよりも、点数を知らずに先生や親からコメントをもらうと元気になると思います。
- 落ち込まなくて、自信がつきます。でも、評価があるから点数が気になるときもある。
- いいと思います!テストが悪かったら落ち込むけど、点数がないとどこが悪かったか、どこを次に生かすかを考えるなら、次頑張ろう!という気持ちになれます!
- コメントだと直していった方がいいところが分かるからいいと思うけど、私は点数で成長していることとかが分かるから、人に点数を書く書かないを聞くといいと思います。
6年生、14人中12人がこのやり方に肯定的で、2人が点数をつけてほしいということでした。
評価に関する取組をして考えたこと
どちらもやってよかった!
単に元気につながる取組であるだけでなく、評価について考える機会にもなりました。
だからこそなのですが…
②についての「点数で成長していることが分かる」という意見…
いや、ここ最近、評価に関する本を読む読んでいるところなのですが、読めば読むほど、評価について分かっていないなー!と。
今回も、これまでの評価のやり方を変更しただけで、そもそも評価の仕方はどうだったのか?
点数ではなく成長が分かるような評価とは?
単元のスタート時にその単元を学ぶとどんな価値があるのかというインストラクションはしているものの、それは最終ゴールと結びついているのか?
エンパワーできているのか?
…
今、かなり悩んでいます。
でも、よかった。(本当に!)
アンラーンのスタートライン。
ちょっとトンネルは長そうですが、(だから元気に関する取組と並行しつつ、)評価について、ちゃんと学びたいと思います。
まずはこれらの本を読む。ちゃんと。
他にオススメの本、ありますか?